天平筆 戻る

正倉院には、聖武天皇ゆかりの御物(ごもつ)が、当時のままの姿で伝えられています。その中に、17点の「天平筆」と、大仏開眼の時、用いられたという大筆「天平宝物筆」が1点納められています。

17点の「天平筆」は、大きさや長さ、筆管・筆帽の装飾、使われている竹、筆の穂の部分などが、それぞれ異なっています。その中に、象牙や黄金、銀糸などで装飾を施した見事なものが何点か見られます。また、筆の大きさですが、ほとんどの筆が、直径2cm前後、長さ20cm前後の大きなもので、日常の書写用に用いられたものとは思われません。筆管の見事な装飾と考え合わせて、天皇に献上された筆の中で、日常お使いにならず、装飾品、鑑賞品、愛玩品として手許におかれていたものが、遺品として残ったのではないかと考えられています。

穂の部分についてですが、すべての筆が、当時の中国の製法である「巻心造り」と呼ばれる製法で造られていました。「巻心造り」とは、中心になる命毛に紙を巻き、その次に毛、次に紙、また次に毛という具合に数段重ねて行き、最後に上毛で被い、形を整えるという製法です。そして、これらの17点の筆のほとんどは、獣毛の部分を失い、紙で巻いた心柱の部分だけしか残っていませんでした。その紙の長さから考えて、すべての筆が穂丈3cm前後の短鋒筆で、また、腰の部分の紙の長さから、腰の位置の低い円錐状の筆(雀頭筆)と、腰の位置の高い紡錘状の筆とが存在していたと思われます。

また、使われています原毛は、残っている獣毛の部分が少ないのでよく判りませんが、当時よく使われていたほかの実用の筆の原料から考えて、おもに狸毛、兎毛、鹿毛ではないかと考えられています。その他にも羊毛、馬毛なども使われていたようです。

このページでは、正倉院の筆を参考にして作りました「天平筆」をご紹介致します。今回、筆管の竹には斑竹を使用いたしました。斑竹は、太くて、柄の良いものがなかなか手に入らなくなり、製作致しました筆は実物よりも少し細身になっています。

また、筆管と筆帽の装飾には象牙と真鍮を使用致しました。穂の部分は狸毛を命毛にして紙を巻き、上毛に羊毛を巻いて形を作ってあります。形状は、腰の位置の高い紡錘状に作ってみました。

下の写真よりお好みの柄の筆管をお選び下さい。写真と同じものを桐箱に入れてお届け致します。

天平筆1 天平筆2 天平筆3 天平筆4


天平筆軸の柄


天平筆裏側


品番 品名 ネット
価格
(税込み)
(穂の)
直径×出丈
(mm)
(軸の)
外径×全長
(mm)
(筆帽の)
外径×全長
(mm)
原材料
1101 天平筆1 売切れ 13.5×30 16.0×211 21.5×80 <穂首>
 狸毛、羊毛
 馬毛、和紙

<筆管>
 斑竹、象牙

<筆帽(さや)>
 斑竹、象牙
 真鍮
1102 天平筆2 売切れ 13.0×30 15.3×208 19.0×83
1103 天平筆3 売切れ 13.0×29 15.6×209 20.0×81
1104 天平筆4 売切れ 12.2×30 15.0×208 20.2×80
1105 天平筆5 売切れ 12.0×29 15.0×200 20.0×80

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